11月11、12日の土日に、広島県神石高原町に行ってきました。福山市の北側、東は岡山県に接する吉備高原上にあります。ひょんなことからこの町とつながりができ、2日かけて町内の様々な場所をグループで視察しました。
ジビエ肉を取り扱う「備後ジビエ製作所」を訪問して来ました。訪問日のちょうど前日、シャインマスカットを育てていた畑に置かれた仕掛けに「アナグマ」が捕えられたとのこと。アナグマってご存知ですか?
タヌキに似た体長40〜60センチの小型の獣で、日本では古くからタヌキと共に「ムジナ」と呼ばれています。鋭い爪を持っていますが、ずんぐりとした体型のため可愛らしい印象です。
大切な農作物を食べてしまうので、地元の方には憎き害獣です。備後ジビエ製作所で「止め刺し」から解体までを見せてくれるというので、見学させてもらいました。罠にかかった鳥獣にとどめを刺す行為を「止め刺し」というらしい。
ジビエ流行の昨今、イノシシやシカの料理は知っていましたが、アナグマも高級食材とのこと。特にフランス料理でアナグマはよく使われるそうです。今回、アナグマの解体までは見たのですが、食べるところまで行きつかなかった。
備後ジビエ製作所の通販サイトでは、アナグマのすき焼き用スライス肉が300グラム4,500円。なかなかの高級品です。食べてみたいけど「止め刺し」の状況を思い出しそうで勇気がありません。汗
「止め刺す前に、このアナグマに名前をつけようか」と提案した方がいました。即座に全員揃って頭をぶんぶんと横に振る。名前をつけると特別な存在になってしまう。世界で一頭だけのアナグマにしたくなかった…。
🎵今日も子どもたちは 小さな手をひろげて
光とそよ風と友だちを呼んでる
だれかがどこかで答えてる その子の名前を叫ぶ
名前 それは燃える生命(いのち)
ひとつの地球にひとりずつひとつ
Every child has a beautiful name
A beautiful name, a beautiful name
呼びかけよう名前を
すばらしい名前を
『ビューティフル・ネーム』(詞:奈良橋陽子 曲:武川行秀)より
ゴダイゴの名曲にある通り、名前は世界に一つだけの存在であって、名前をつけるのはそれを確認する行為そのものです。名前が生命(いのち)を唯一無二のものにする。全ての食肉獣に名前があったら皆さんはそれを食べられますか?
我々人間も命を繋ぐために、他の命をいただくしかありません。地球の生態系に組み込まれた動物の一種であり、決して特別な存在ではない。命をいただく感謝の気持ちを毎日、忘れないようにしたいものです。