先週金曜日の朝、会社に行こうと玄関のドアを開くと、足元に緑色のカメムシが2匹いました。 マンションの共用廊下を歩くとさらに2匹。エレベーターの前に着くと、なんと10匹のカメムシがひっくり返って死んでいました。
カメムシの異常発生は最近ニュースでよく取り上げられますが、なぜ一晩に僕の住むマンションの12階フロアに14匹ものカメムシが死んでいるのか。それもすべて足をあげてひっくり返っているのです。
これは、誰かが仕掛けたイタズラか、あるいは嫌がらせか。否、もしかして罠? 思考はグルグルしながらも、歩いて駅に向かいます。カメムシが大量に虐殺された理由は殺虫剤しかあり得ないよね。でも誰が? 殺してから運んだのか?
いつも通り、耳につけたAirPodsからはSpotifyでお気に入り曲が流れてきます。駅に着く頃、ちょうどThe Birthdayの『息もできない』が流れてきました。昨年亡くなったチバユウスケがボーカルの名曲です。
チバユウスケが食道癌で亡くなったのは、2023年11月26日。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのボーカルとして知らない人はいない(こともないか、今の時代)。かなり有名なアーティストだとは思いますよ。
享年55歳。僕に割と近い年齢で、色っぽくてカッコいい男でした。最後に所属していたバンドがThe Birthday。11枚目となるアルバム『サンバースト』(2021年7月28日リリース)について、雑誌「ローリングストーン」がチバにインタビューをしていました。
ーーそれにしても何を思って『息もできない』のあんなに素敵な詞が書けるのかーー
「あんまり虫を殺さないからじゃない? 虫がいるべや。ほっといてやればいいでしょ。でも嫌な時もあるじゃん。そこの判断じゃない? ジョー君※が素敵だなって思うのは、たぶんそこの判断だよ。蜘蛛がいるじゃない。大概の人は捕まえて、ギュッと握り潰しちゃうと思うんだよ。けど俺はたぶんそうじゃねぇんだなってこの間思った(笑)。掴んで、ピッてやる(笑)。」
(ローリングストーンジャパン公式サイト「The Birthday チバユウスケが語る 現実をひっくり返す想像力」より抜粋 ※インタビュアー:Joe Yokomizo)
チバのこのコメントを突如、思い出したのです。チバユウスケはあんなぶっきらぼうだけど、優しいやつなんだなぁと。ま、優しいやつじゃないとあんな歌詞は書けんよなと当時、思ったわけです。それに歌詞と全然関係ない回答なので印象深かった。
♪ お前の唇 何かを言おうとしてた
黙って塞いだ 息もできないくらいに
生きてる 生きてよ そう聞こえた気がした
黙って塞いだ 息もできないくらいに
息もできないくらいに
(『息もできない』 作詞:Yusuke Chiba、作曲:The Birthday)
在来線電車に揺られながら、大好きなチバの歌声を聴きながら思ったのです。ーーチバもやっぱりカメムシは殺せないよなーー。まぁ、僕の場合は臭くて殺せないだけで、ハエや蚊は思いっきり叩き潰しちゃうけど。ピッてやるだけじゃ済まない。
でもカメムシはピッてやったら、指にニオイがついて1週間は取れないかも。笑