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おもちの神さま 〜181回〜

「しだれおはぎ」生産者:竹原マツ子
「しだれおはぎ」生産者:竹原マツ子

やっと、秋を感じる気温になってきましたね。今年の夏は本当に長かった。半袖姿でほぼ10月を過ごしました。気象庁の予報によると11月末まで平年より高い気温で推移すると言います。

 

食欲の秋です。僕は親戚に餅(もち)屋が多いせいか※参照ブログ、昔からお餅が好きでした。今もかしわ餅やおはぎ(萩の餅)には目がない。競合調査の名の下に様々なところで餅を購入します。

 

最近は広島市安佐南区大町にあるJA広島の「とれたて元気市」に毎週のように行っています。新鮮な野菜や果物はもちろんですが、ここにはなかなか良い餅が多数取り揃えられている。本当にたくさんありますw

 

おはぎについては、親戚である河岡食品の「ぬれおはぎ」が史上最強だと思っていたのですが、東広島市の竹原マツ子という方が生産する「しだれおはぎ」という恐るべき強敵を発見したのです。

 

「おはぎ」と「ぼたもち」は何が違うか。「おはぎ」は秋のお彼岸に食べるので、秋に咲く「萩(はぎ)」の花が由来です。一方、春のお彼岸に食べるものを、春に咲く「牡丹(ぼたん)」から「ぼたもち」と言います。

 

牡丹の花は大きいので「ぼたもち」は大きめに、萩は小さな花なので「おはぎ」は小ぶりに作るらしい。とはいえ、河岡の「ぬれおはぎ」もマツ子さんの「しだれおはぎ」も餡が溢れて小ぶりとはとても思えない。

 

かとうまふみ氏の「おもちのかみさま」という絵本があります。固くなったお餅が主人公のユニークなストーリーです。頑固者のお餅は、決して膨らむことがない。出版元の佼成出版社のウェブサイトによると…

 

――「わたしは特別なおもちだ。食べられるなんて、まっぴらごめん!」。どんな熱い火で焼かれても、決してふくらまないガンコなおもち。もっともっと硬くなってやろうと、山にこもって修行を始めます。――

 

時間が経つと勝手に固くなるのがお餅です。固くなって捨てられたお餅が「自分は特別な存在だ!」とドンドン意固地になっていく姿は、最近柔軟さを失っていく自分と何となく重なって見える。汗

 

作者のかとうまふみ氏は、この絵本を読み聞かせる側の親や祖父母のために書いたのではないかと思ったりします。ネタバレになるので詳しく書きませんが、頑固一徹のお餅は最後に悲しい結末を迎えます。

 

心も身体もほぐして柔らかな人間であり続けたいもの。これから午前中に買ってきた「しだれおはぎ」をおやつに頂こうと思います。餅は固くなる前に食さねばいけませぬ。糖尿病になるのがちと怖いけどね。笑