· 

朝ドラとお味噌汁 〜197回〜

今朝のNHK朝ドラ『おむすび』は良かった。母親役である米田愛子を演じる麻生久美子さんの演技が圧巻でしたね。家族の大切さ、いや、家族になることの大切さを、家族を前に語るシーンです。

 

ギャルとして自由に生きることを貫いた二人の娘を誇りに思うとしながら、「自由にやるのって、意外にしんどくなかった? なんでも自分で決めなきゃいけないし、いろんな責任もともなう」

 

「自由の本質」を、休日朝の連続ドラマで気付かされるとは思わなかった。間違った自由を謳歌している僕のようなお気楽人間は、まさに朝一でほっぺたを叩かれたような気がしました。

 

指示を待つだけの受け身な会社員は、難しい仕事を自分一人に振られた時にはたと気づく。あるいは金融機関に運用を任せていた投資に大きな損失が出た時にも気づくかもしれない。

 

「人任せ」の自由が、いかに危険な状態なのか。権利には必ず義務が伴う訳です。民主主義の基本原則ですよね。本来、自由には覚悟が必要なのです。自分で決めない自由ほど怖いものはない。

 

カール・グスタフ・ユングの『書簡集』にこんな言葉があります。

――そもそも人類は最終的な決定権が自分たちの掌中におかれていることをさとっていない――

 

責任が自分の中にあることに気付かぬふりをしている人が多いことを指している。楽ですからね、人のせいにする人生は。でも社会の寄生虫になってはいけません。しっぺ返しを食らうのは自分自身。

 

お椀を持ったまま、麻生久美子さんの熱弁を聞きながらそんなことを考えていたら、朝ごはんに味噌汁をこぼしてしまいました。米田愛子さんだったら、メチャ叱られてるだろうなぁ。笑