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「どん兵衛」あるいはエリアマーケティング

緊急事態宣言が39県で解除されましたが、まだ各地で自粛要請が続いていることと思います。当地広島でも週末の外出自粛は延長され、雨が上がっても悶々と部屋に籠っています。外出もできず、おなかは減らず、保存食として備蓄していた「どん兵衛」が今日のランチとなりました。「どん兵衛」を食べながら、思ったことをつらつらと書いてみます。

 

「どん兵衛」だけでなく、同じブランドでもカップ麺の多くは東日本向けと西日本向けの商品の2つに分かれていていますよね。うどんでいうとかつお出汁ベースか昆布出汁ベースか、ラーメンでいうと濃口醤油か薄口醤油か、みたいな感じです。

 

カップのどこかに東西を分ける記号が普通表記してあるので、見つけるのも面白いかもしれません(EとかWとか)。こんな引きこもりの時くらいしか普通やらんでしょ? 東西の線引きがどこにあるのかは微妙なところで、角餅と丸餅の線引きに近いかもしれません。でも金沢は角餅だけど「どん兵衛」は昆布出汁だったりして難しい。

 

「どん兵衛」のCMキャラクターは2017年から星野源さんと、どんぎつね役の吉岡里帆ちゃんです。多くの独身男子が「どん兵衛」を食べるとき、どんぎつねのことを想っているに違いない。なかなかのマーケティング戦略です。「どん兵衛」のWEBサイトには『どんぎつね1st写真集』があって、吉岡ファンにはたまらんビジュアルだと思います。

 

『手袋を買いに』という新美南吉の作品があります。子狐が帽子屋に手袋を買いに行く話です。国語の教科書に採用されていたので知らない人はいないんじゃないでしょうか。片方の手を人間の手に変えたけど、間違って狐の手の方を出してしまったのに、帽子屋は手袋を渡したというストーリーです。ほのぼのとした話のようですが、本物のお金だったから商品を渡しただけじゃないかと思うひねくれた子供もたくさんいました。私もそうですけど。

 

「人間ってちっとも恐かないや」という子狐と「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやく母狐。CMのなかのどんぎつねも、星野源さん役の人間男子に普段どんなことされているのか考えると、自分の人間性が分かるかもしれません。あんなことや、そんなこと…。いけません、そんなことまで考えちゃ。ちなみに私の初恋の相手は、ディズニーの「バンビ」ちゃんでした。もしかして、これって変態?