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ウォシュレットと広島県庁

Photo from Wikipedia
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2012年度に広島県に出向しました。県庁東館、いわゆる県警本部があるところです。あるミッションに応えるため、お呼びが掛かったのです。詳しいことはこの場では言えません。お知りになりたい方は、このサイトのお問合せの方からお願いします。笑

 

広島県庁舎は、1956年竣工ですから歴史があります。建築にあたって各市町村や財界、県職員等から寄付金を集め、その額は当時で23千万円と言いますから、悪口を言うと怒られそうですが、今は単なる古い建物です。香川県庁みたく丹下健三先生とか著名人が設計した訳でもなく、民間の設計会社さんの仕事と聞きました。

 

いえいえ、悪口を書くつもりは全くありません。ただ出向して困ったのは、トイレに温水洗浄便座(通称ウォシュレット)が付いてないということです。いまだに和式も多数あります。そして狭い。夏は暑いし冬は寒い。出るものも引っ込みますよ。あれ? 単なる悪口ですねw

 

公務員は、労働基準法の適用外です。働き方改革で多くの民間企業が変わっていくなか、就業時刻を過ぎると冷暖房が切れ、遅くまで残業しても、あの狭くて暑いトイレで用を足す県庁職員は少し可哀そうです。「わしらの税金で飯食うとるくせに」とか言われますし。私も出向中にあるイベントでお客様に言われたことがあります。

 

登庁初日に『災害時の行動指針』という黄色いカードを渡されました。表紙には赤い文字で「県内に震度5強以上の地震 津波警報の発表→県職員全員参集」と書かれています。上長からは――今日から地方公務員法に則って生活してください――とも言われました。今でも黄色いカードは名刺入れの中にありますよ。

 

今回の豪雨で、熊本を中心に九州各県、岐阜、長野など各地でひどい災害が起こっています。それぞれの自治体職員が、それこそ命懸けで活動しているに違いない。「公僕」とはよく言ったものです。2年前の西日本豪雨災害の時も、県内の自治体職員は、自衛隊や警察官、消防士と一緒に走り回っていました。

 

自衛隊や消防、警察ばかりが、こういう時にはヒーローとして取り上げられます。自治体職員の隠れた下働きがあってこそ、我々が生活できていることを忘れてはいけませんよね。避難所で食品や日用品を手配し、対応にあたふたしている公務員たちの姿を見ると頭が下がります。だから県庁のトイレには、そろそろウォシュレットを付けて欲しい。たまに私も使いますし。それも行政サービスですから。笑