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観光列車とお酒

JR四国「伊予灘ものがたり」
JR四国「伊予灘ものがたり」

GO TOキャンペーンの効果で、広島にも観光客が増え始めています。一方で、新型コロナの感染者もまた増加傾向にあり、何とも言えない気持ちで過ごしています。

 

観光列車に乗るのが好きです。JR四国では「四国まんなか千年ものがたり」(土讃線 多度津~大歩危)と「伊予灘ものがたり」(予讃線 松山~八幡浜)に乗りました。車内で提供される料理も郷土の素材が生かされていて、とても良かったですよ。

 

明日はJR西日本の新しい観光列車「etSETOra(エトセトラ)」(尾道~広島)を予約しています。GO TOキャンペーンのお陰で安く乗れるのはうれしいですね。ま、私の場合は予算の都合で、近場限定のマイクロツーリズムだけですけど。

 

観光列車のはしりとも言えるSL「やまぐち」号(JR山口線 新山口~津和野)みたく、特別な車両に乗る経験がしたいというより、私は列車の中で美味い料理と酒を楽しみたいという気持ちがほとんどです。

 

SL「やまぐち」号に乗った時も会社の仲間と酒とつまみをしこたま買い込んで、津和野に着く頃には完全に出来上がっていました。千鳥足で「安野光雅美術館」に入ると、そのまま眠り込んでしまったという不届き者です。安野先生、ゴメンナサイ。

 

「etSETOra(エトセトラ)」は会社の仲間が、列車の内装デザイン等を手掛けているので、乗車するのを楽しみにしています。美味しいお酒をいただくために、広島~尾道の呉線海岸線沿いでなく、酒が提供される下りの尾道~広島の山陽線山沿いを選びました。

 

とは言え「伊予灘ものがたり」に乗った時も、美しい海岸線が現れる頃には、すでに酔っぱらっていて、瀬戸内海の景色も脳裏に焼き付けるほどの記憶力が保持できず、思い出しても現実だったのか夢だったのか、今となってはよく分からない。泣

 

明日も多分、きれいに紅葉した山景色が酔って滲んだ記憶になることでしょう。ま、生きていること自体が夢の中のようなものですし。荘子の『胡蝶の夢』のごとく。若い人には映画『マトリックス』で例えた方が分かりやすいかもしれませんけどねぇ。笑

 

昔者、莊周、夢爲胡蝶、栩栩然胡蝶也、

自喩適志與、不知周也、俄然覺、則蘧蘧然周也、

不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與、

周與胡蝶、則必有分矣、此之謂物化、

 

むかし荘周、夢に胡蝶と為る。栩栩然(喜ぶさま)として胡蝶なり。

自ら喩しみて志に適うか、周たるを知らざるなり。俄然として覚むれば、則ち蘧々然(はっきり)として周なり。

知らず、周の夢に胡蝶と為るか、胡蝶の夢に周と為るかを。

周と胡蝶とは、則ち必ず分あらん。此れをこれ物化と謂う。