· 

シンガポールとカラス

緊急事態宣言も延長され、旅行もできない状況が続いています。近場で人込みを避けて、うろつくしかありません。明日は日曜日のバレンタインデー。若い人たちが可哀そうです。

 

一昨年、夏休みを取ってシンガポールに行きました。去年なら絶対に行けなかった。2019年夏には、世界がこんなコロナウィルスに覆われるとは思ってもいなかったわけです。

 

トランジットでしか入国したことがなかったので、シンガポールが、あんなに清潔で美しい街並みと景観を誇るステキな国だとは知りませんでした。 

 

ただ、あの暑さのなか全く蚊に刺されなかったのは正直、不思議なことです。蚊だけじゃなく、昆虫を見ることが、ほとんどなかった。1週間滞在し、見かけたのは小さな蝶1匹だけでした。 

 

マレー半島の先にある都市国家シンガポールは、ほぼ赤道直下にあり、一年中暑い。ベトナムやインドネシア、マレーシアにも行ったことがありますが、街じゅう蚊でいっぱいです。蚊に刺されない日は、まずない。 

 

シンガポールに滞在中、親しいスーパーゼネコンの支店長に中華料理をご馳走になりました。ミシュランの星を獲得している名店です。ただ物価はメチャ高いです。さすがスーゼネ、スーパーエリートです。

 

彼が教えてくれたのですが、建築現場で水溜まりができたままにしておくと、相当スゴイ額の罰金を払わないといけないらしい。そこからボウフラが湧いてくるからです。

 

「デング熱」をご存知でしょうか。日本脳炎と同じように、蚊の吸血を通じてウイルスが人から人へ移るこわーい感染症です。シンガポールは「デング熱」対策を徹底しています。

 

虫だけじゃありません。カラスも見当たらないのです。なんか街に人工的な感じを受けるのは、人間以外に生き物の存在を感じないせいかもしれません。

 

かつては日本と同様、シンガポールもカラスの被害に頭を悩ませていたようです。悩んだ末、環境省は強硬手段に踏み切ったと言います。「皆殺し」です。

 

民間のライフル協会だけでなく、シンガポール軍も白昼堂々、カラスを一斉射撃。あっという間に街からカラスは居なくなってしまったと言います。泣

 

ゴミを捨てるだけで罰金を課される国、ガムを国内に持ち込むと逮捕される国、それがシンガポールです。世界一キレイな国には、やはり理由があります。

 

街なかには私服警官が多数。防犯カメラの多さにも驚きます。インターネットを通じて国民の情報通信さえ監視されている。「明るい北朝鮮」と言われるシンガポール。

 

昨日現在の新型コロナ感染による死亡者数は、シンガポール29人、日本6,863人。コロナウィルスを徹底して押さえるには、監視社会に転換すべきという論調の知識人もいます。

 

皆さんは、どう思われますか? カラスを皆殺しにする国と、カラスに悩みながらも共存する国…。ま、頭の上に糞を落とされた時はさすがに射殺したくなりますけどね。笑