· 

大学受験に失敗してもパラダイスな人生

国公立大学の試験日程もすべて終わりましたね。受験生の皆さんコロナ禍のなかお疲れ様でした。以前このブログでも触れましたが、予備校時代の不謹慎な生活のお陰で、見事に一次志望の国立大学を落ちた私は当時、途方にくれていました。

 

ま、落ち込んでもすぐに復活する典型的なB型体質のため、早速打開策を探ります。私たちの時代は、国立大学は一校しか受験できなかった。当時文部省は、救済措置として2次募集制度というのをやっていました。

 

だいたいは旧二期校と言われる、少し田舎の人気のない駅弁大学がその対象です。予備校に行き、2次募集校の資料をもらってくると、結構いろいろな大学が対象校として載っていました。

 

――う~ん、何処にするか、悩むなぁ――真面目に悩んでいるようでも、あまり真剣でないところが相変わらずダメなところです。――静岡大学生物学科かぁ、白衣を着て生き物の研究をするのもカッコいいなぁ――阿呆です。

 

文系科目の勉強しかしていないのに、何を言うとるんじゃ、こいつは。まったくもって科学という高尚な学問を馬鹿にしていますよね。いやいや、もっと現実を見ろよ、きみ。

 

――やっぱり地元に近い方がええなぁ、この辺りでは…島根、香川… ん?――試験科目がない。全国で唯一2次試験がなく、共通一次試験の点数だけで合否が決まるのが、香川大学の2次募集だったのです。

 

社会科学は嫌いだとあれほど言っていたのに、就職が良さそうだからと理由を付けて法学部に願書を送る始末。――あとは合格発表まで寝て過ごせる。ほんまに楽ちんじゃ――心底駄目な奴です。泣

 

合格発表を見に、父と母と一緒に家族旅行を兼ねて、生まれて初めて高松市を訪れました。入学手続きを済ませると、桜満開の名勝「栗林公園」を散策し、茶屋で銘菓「灸まん」を食べてお抹茶をいただきます。幸せです。

 

「おいおい、昭文の下宿を探さにゃいけんが」父の言葉で気づくと、慌てて不動産屋を探し始める。まったく家族そろって、どうなんだかなぁ…

 

入学当初、法学部だけにキャンパスに女子が少ないのが不気味でした。ずっと共学で過ごしてきましたし、高校はやたら女生徒の多い学校でしたので。なんか華やかさが足りない感じなのです。

 

都留文科大学という山梨県の公立大学があります。当時、この大学のみ国公立大学の2次試験日程の前に、独自の受験日を設定していました。

 

広島で地方試験があるので、模擬試験的に受けたら、たまたま合格通知が来ていたのです。ここは文学教育が主体の大学のため、7割近くが女子学生だったと思います。

 

香川大学に入学したばかりの頃、ふと考えました。――都留文科大学を選んでいたら、今ごろカワイイ女の子たちに囲まれてパラダイスだったかもしれないなぁ――スミマセン、本当にお馬鹿で。

 

こんなお馬鹿も30年後に高松支社に転勤し、とても素敵な再会がありました。地元に残った同級生や先輩、後輩と本当に有意義な時間を過ごすことができたのです。この出会いは私の宝ものです。今は香川大学に心から感謝をしています。本当です。笑