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与える人と奪う人

入院しているとき「TED」をよく見ました。熱があり体調が悪いと読書もなかなか難しい。流れてくる映像を見る方が楽です。といって、2時間強の映画をiPadで見るのも疲れます。 

 

「TED」をご存知でしょうか?世界的な講演会「TED Conference」(テド・カンファレンス)を開催している非営利団体です。正式名はTechnology Entertainment Design。 

 

当初は身内のサロン的集まりとして始まったようですが、2006年から講演会をインターネット上で無料動画配信をするようになり(TED Talks)、一躍有名になりました。 

 

だいたい15分から20分のプレゼンテーションで、世界的な最先端のテクノロジー等の理論や学説がとても分かりやすく紹介されています。本当に勉強になる。 

 

「TED Talks」には、様々な分野の講演が収められているのですが、特に脳科学や心理学は面白い。今日紹介するのは、ペンシルベニア大学の組織心理学者アダム・グラント教授の理論です。 

 

彼は、人の素質と社会的成功の傾向を調査し、人間社会には「GIVER・TAKER・MATCHER」という3つのタイプの人間が存在するとします。 分かりやすくするため図を作ってみましたw 

 

受け取る以上に与えようとする人が「GIVER」。与えるより多くを奪おうとする人は「TAKER」。そしてこの2者の間で GIVE & TAKE のバランスを取ろうとする人が「MATCHER」。

 

調査の結果では、社会で最も成功するのも失敗するのも「GIVER」だというのです。つまり、「GIVER」には下記の2種類がある。 

 

➀失敗するGIVER:自分の仕事を後回しにしてでも人の仕事を手伝って、結果として自分の仕事のパフォーマンスが低下してしまう。TAKERに利用されボロボロになっていくお人好しタイプです。 

 

②成功するGIVER:与えることで短期的には自分のパフォーマンスが損なわれるように見えても、長期的にはそうした行動によって培った信用が人的なネットワークを構築し、自分の評判やチームとしての成果につながる。 

 

紙一重なのですね、トップもビリ(どべ)も。笑。彼が言うには、GIVERは、組織全体を良い方向に成長させ、個としての成績も優秀な場合が多いため、組織にとって必要不可欠な存在だとのこと。そりゃそうじゃろ。 

 

そして、組織を形成する上で鍵となるのは、いかにTAKERを排除し、GIVERが活躍できる環境を、経営側が構築できるかに掛かっていると断言しています。 

 

結局、上に立つ者がズルいTAKERをしっかり見抜く目を持ち、それを摘む勇気を持たねばいかんちゅうことなんじゃね。自分がGIVERだと思っている、あなた! 本当に人はGIVERと思ってくれますかね? ふふふ。