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人を信じるということ(信じる者は救われる)

あけましておめでとうございます。2022年が始まりました。皆さんの今年の抱負は何でしょうか? 昨夜NHKの某番組でタモリさんが「抱負はない」と仰っていました。笑

 

僕もそうなんです。いえいえ、真面目にです。会社が始まれば、今年の抱負をよく聞かれます。抱負とは決意のようなものですから、「抱負がない」=「仕事への熱意がない」と判断されかねません。

 

でも抱負が毎年変わることの方が変な気がしませんか。決意がころころ変わる人間は信用できない気もするのです。それにそんな大切なことを他人にべらべら喋るのもいかがなものでしょう。

 

入念に準備してきたような抱負を熱く語る人間なら、僕はさらに信用できません。かなりの天邪鬼ですねw さて人を信用するかしないか、それは性善説か性悪説かの問題でもあります。

 

年末年始に世界的ベストセラーであるルトガー・ブレグマンの『Humankind希望の歴史』を上下巻読破しました。読破というと大げさですが、とても面白い内容なのであっという間に500ページ読み終えました。

 

話題の本なので、年末書店で見掛けた方も多いと思います。多くのエビデンスを挙げて性善説を証明していく内容です。同時に性悪説に立つ人の思い込みが、歴史上いかに多くの弊害を生み出してきたかが理解できます。

 

そして読み進めていくうちに、人を信じるということが人類にとっていかに有益かが分かり、読者自身がとても元気になれます。2冊で3,980円ですが、精神衛生上のコスパが最高に高い内容ですw

 

南アフリカのネルソン・マンデラを支えた双子のストーリーは感動的です。人種差別下にあった南アの民主主義誕生が、マンデラ大統領を中心とする性善説に立つ人々によっていかに為されたか、第17章だけでも立ち読みする価値があります。

 

ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、僕の今年の抱負に代わって、エピローグのブレグマンの一文を掲げて、今年最初のブログの締めくくりにしたいと思います。

 

――わたしは自己啓発本が好きではない。思うに今の時代は、自分の内面ばかりに目を向け、外に目を向けることが少なすぎるようだ。よりよい世界の構築は自分一人でではなく、皆で始めるものであり、主な仕事は、今までと異なる制度を創ることだ。そのためには、出世したり裕福になったりするための秘訣を100学んでも、まったく無益だ――

 

2022年が、親切で寛大で思いやりにあふれた素晴らしい年になりますように!