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WEB3.0と尊敬できる上司 〜122回〜

『銀河英雄伝説Die NeueThese 星乱』 ©田中芳樹松竹・Production I.G
『銀河英雄伝説Die NeueThese 星乱』 ©田中芳樹松竹・Production I.G

先週、WEB3.0について、このブログで触れてみたいと宣言してしまったので、無理やりなタイトルでブログを書き始めることにします。うまく書けるかどうか不安でいっぱい。汗

 

WEB3.0は、簡単に言うとブロックチェーン技術によって実現する「次世代の分散型インターネット」のことです。とは言え、技術的なことだけでなく社会的構造変革が重要なポイントとも言えます。

 

Web1.0は、1990年代の黎明期にあったインターネットから始まる「情報の流れが一方通行な時代」と表せます。テキストが主体であるWebコンテンツがほとんどで、新聞や雑誌と同様にWebサイトを人々は閲覧していました。

 

Web2.0全盛の現在は、SNSが普及し人類すべてが情報発信者になった時代ですが、巨大プラットフォーム企業(GoogleやAmazon、Facebook等)が、個人情報や利益を独占しているという「中央集権型」の課題が問題視されています。

 

WEB3.0は、ブロックチェーンによる分散台帳技術により、個人情報を他人へ預けずに済むし、情報流出リスクがなくなります。さらに中央集権型社会から脱却し、分散型自律組織(DAO)が誕生する社会進化まで含んだ概念と捉えられています。

 

自主経営(セルフ・マネジメント)をテーマとする『ティール組織』論が誕生したほぼ同じ頃にWEB3.0が発想されたのも偶然とは思えません。人々は中央集権型組織のアンチテーゼとして、WEB3.0も、ティール組織も、期待をしているような感じがします。

 

中央集権型組織は、政府や経営の中枢が優秀であるときは抜群に優れた組織ですが、腐敗した場合は最悪の形態と化します。この辺りはアニメ『銀河英雄伝説』に詳しく描かれているので、是非ご覧ください。ヤン・ウェンリーは銀河帝国には生まれえないのです。

 

ある支社にいた時、本社から私に電話をくれた専務がいました。私のいた支社を管轄する常務が会議で私をひどく批判したらしく、心配して連絡をくださったのです。残念ながら退任後すぐに亡くなられました。良い人ほど早く亡くなる典型例です。泣

 

かつて私が所属した組織の長だった彼は、「失敗しても俺の責任なんだから好きにやれば良い」と本当に言った人でした。ドラマじゃあるまいし、そんなカッコよすぎる人間はこの世には存在しないと思っていたのですが、実在したのです。

 

鯛は頭から腐るとのことわざもありますが、組織に優秀な人材がいない限り、WEB3.0の分散型組織は全員横並びでそれぞれ幸福なのかもしれません。優秀な上司に従うだけの者と、セルフマネジメント組織で民主的に働く者の、どちらが幸せになる確率が高いでしょうか?

 

言わずもがなでしょう。皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムが自由惑星同盟に生まれたとしてもトリューニヒトのような国家元首にはなれないし、ならなかったでしょう。でも皇帝になった彼も決して幸せだったとは言えませんよね。分かりますかね、この話? 笑